2020.05.22
挾間美帆さんからコメントが届きました!
ハービーハンコックの80歳に寄せて
私には、世界中に「憧れて会いたいけれど実際に会ったら号泣してしまうかも」と思える人物が、数名います。自分の人生に多大、多大すぎる影響を与えてくれたことに感動と感謝でいっぱいになってしまいそうなのです。
ハービー・ハンコックは、私にとって、そんな人物のひとりです。
音感を習得した7歳児が、CDを聴いてまるまる覚え、歌詞もないのに音名(ドレミ)で歌った大好きなピアノの演奏。その頃はそれが即興演奏であることも知らず、本能的に「このかっこよさを熱唱したい!」という気持ちだけでその曲を何度も何度もかけたものです。そのアドリブ演奏こそ、若きハービーでした。
10代を終えることへのあまりの恐怖に泣いていた私が二十歳の誕生日を迎える瞬間に聴こうと選んだ曲も、ハービーのアルバムでした。
人生だけでなく音楽人生にとっても、大きな要となっています。
今年東京ジャズのステージで会える!と知ったときには、飛び上がって踊るほど嬉しいと同時に、会ったら喋ることなんて絶対できない、と震えあがったことを思い出します。残念ながら、夢はまた夢になってしまいましたが、世界で一番憧れるピアニストの80歳をお祝いしたい気持ちはとても強く、わたしのジャズ室内楽団m_unitと一緒に、お祝いビデオを作ることにしました。
ハービーの傑作アルバム「処女航海」。アルバム全体で1つの物語になっているコンセプト、作曲と演奏のクオリティだけでなく、私の名前“美帆”は航海をモチーフに名付けられたこともあって、このアルバムは私にとってとても特別な存在です。今回は、このアルバムから代表曲をメドレーで演奏します。
せっかくのお祝いなので、賑やかに、楽しく、心を込めて創りたいと思います。どうぞご期待ください!
挾間美帆