ジャズは「アメリカのクラシック音楽」とよく言われてきました。音楽のガンボ(南部特有のスープ料理)ともいえるジャズは、100年ほど前にまずニューオリンズで作り上げられ、まもなくカンサス・シティとシカゴに伝わった後、ニューヨークとロスアンジェルスへと広がりました。近年、パリから東京、そしてリオデジャネイロからサンフランシスコまで各地で、ファンがジャズのテイストを味わい、サウンドを楽しんできました。 アメリカのジャズプレーヤー達は、日本のジャズファンは世界一だと認識しています。おなじみのスタンダードナンバーの再演であれ、サウンドの新たな面を探るような素晴らしい即興であれ、日本の聴衆が彼らの演奏を高く評価してくれることを、ジャズプレーヤー達は知っています。日本は、多くのジャズグループにとって常に訪れる国になっていますし、自分の故郷からは離れたこの日本を本拠地として活動しているアメリカ人ミュージシャン達もいます。 「東京JAZZ2002」には米国や日本をはじめほかの国々の優れたプレーヤー達が出演します。その顔ぶれはジャズの国際性を、そしてニューオリンズ生まれのガンボ、つまりジャズを、新たに、また味わい豊かにする多くの文化的要素を反映しています。 このアメリカの音楽を東京に紹介しようと努力を重ねているNHK及び関係者の皆様をご支援することは私の喜びとするところであり、同時に主催者の皆様にそのご成功をお祈りいたします。ジャズが、それが「クール」であれ「ホット」であれ、東京の夏にさわやかな風を吹き込んでくれるだろうと確信しています。
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